
2023年10月からインボイス制度が始まり、消費税のしくみがさらに複雑になってきました。
そんな中で、確定申告と消費税の関係について詳しく知りたいと考えている人も多いでしょう。
消費税とはそもそもなんなのか?自分が確定申告で消費税を払う必要があるのかなども気になるところですよね。
そこで今回は、確定申告の消費税を分かりやすく解説していきます。
確定申告の消費税を分かりやすく解説
確定申告と消費税の基本をまずはしっかり理解しよう
確定申告をすると消費税が徴収されるのかどうか気になる人もいるでしょう。
確定申告をしても人によっては消費税が徴収されますし、されない人もいます。
ここではまず、確定申告と消費税についてそれぞれ理解していきましょう。
消費税とは?
消費税は、商品やサービスの販売時に課税される税金です。
簡単に言えばお客様が支払う代金の一部として預かり、後で国に納める税金のことを指します。
消費税の基本的な仕組みは以下の通りです。
・課税事業者が消費者から預かり、国に納付する
・税率は標準税率10%(軽減税率対象品目は8%)
・最終的には消費者が負担する仕組み
例えば1万円の商品を売った場合、2024年現在では1,000円(10%)が消費税となります。
この1,000円を事業者が預かり、後で国に納めるのです。
確定申告と消費税の関係
消費税の確定申告は、事業形態によって申告期限が異なります。
個人事業主の場合には基本的に翌年の3月31日までとなります。(ただし曜日の関係で年ごとに若干ずれることもあり、2024年分なら2025年3月31日までとなっています。)
法人の場合は事業年度終了日から2か月以内となるでしょう。
また確定申告が必要な人は、以下のような特徴があります。
・課税売上高が一定額を超える事業者
・具体的には、基準期間(個人事業主は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1,000万円を超える場合
ただし以下の場合は免税事業者となり、確定申告は不要です。
・基準期間の課税売上高が1,000万円以下
・事業者が任意で課税事業者を選択していない
確定申告における消費税の計算方法
消費税の計算方法には、主に2つの方式があります。
- 一般課税方式
- 簡易課税方式
それでは実際に、それぞれの計算方法をみていきましょう。
確定申告における消費税の計算方法 一般課税方式
・売上に係る消費税額から仕入に係る消費税額を差し引いて計算
・正確な税額計算が可能だが、記帳が複雑
計算式は以下の通りです。
納付税額 = 売上に係る消費税額 - 仕入に係る消費税額
確定申告における消費税の計算方法 簡易課税方式
・売上に係る消費税額に一定のみなし仕入率を掛けて計算
・計算が簡単だが、実際の仕入額と乖離する可能性がある
計算式は以下の通りです。
納付税額 = 売上に係る消費税額 ×(1 - みなし仕入率)
みなし仕入率は業種によって異なり、第一種事業(卸売業)で90%、第五種事業(サービス業など)で50%などと定められています。
また、2023年10月からのインボイス制度導入に伴い、期間限定で「2割特例」も選択可能です。
これは、課税仕入れ等の税額の20%を控除できる特例です。
確定申告の消費税申告書の種類と必要な添付書類
消費税の確定申告には、以下の申告書を使用します。
・一般課税用:消費税及び地方消費税の確定申告書(一般用)
・簡易課税用:消費税及び地方消費税の確定申告書(簡易課税用)
確定申告に必要な添付書類は以下の通りです。
・付表1...消費税額計算表(税率別)
・付表2...課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表
・付表4...簡易課税制度選択届出書(簡易課税制度を選択する場合)
・付表5...課税売上高および特定課税仕入れに係る消費税額の計算表
インボイス制度導入後は、適格請求書(インボイス)の保存も必要になってくるでしょう。
確定申告と消費税の申告・納付方法
消費税の確定申告は、以下の方法で行うことができます。
確定申告と消費税の申告・納付方法 e-Taxを利用したオンライン申告
・自宅のパソコンやスマートフォンから申告可能
・マイナンバーカードを使用すると更に便利
確定申告と消費税の申告・納付方法 確定申告書等作成コーナーの利用
・国税庁のウェブサイトで利用可能
・画面の案内に従って入力するだけで申告書が作成できる
税務署での申告
・直接税務署に出向いて申告書を提出
また確定申告によって納税する消費税額が決定したら、以下のいずれかの方法で納税することができます。
・口座振替
・電子納税(ダイレクト納付)
・コンビニ納付
・クレジットカード納付
オンライン申告と電子納税を利用すると、自宅にいながら確定申告の手続きを完了させることができます。
確定申告と消費税 インボイス制度への対応
2023年10月1日から導入されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、消費税の仕組みが大きく変わりました。
これにより確定申告や消費税の納税について不安を感じている人も多いようです。
またインボイス制度の対象となるのが小規模な取引をしている個人事業主となるため、専門的な知識がない人が多く、かなり混乱を招く事態となってしまっています。
ここでは確定申告で消費税が発生するようになるインボイス制度についても分かりやすくまとめて見ていきましょう。
インボイス制度による確定申告の消費税の主な変更のポイント
インボイス制度によって確定申告や消費税に関する変更点は以下の通りとなっています。
・課税事業者は適格請求書発行事業者の登録が必要
・仕入税額控除の要件が厳格化(適格請求書の保存が必要)
・免税事業者からの仕入れは原則として仕入税額控除の対象外に
インボイス制度による確定申告の消費税の対応のポイント
またインボイス制度の対象となっている事業主は以下のポイントをしっかり押さえていきましょう。
・適格請求書発行事業者の登録を検討
・請求書や領収書の様式変更
・経理処理の見直し(区分記載請求書からインボイスへの移行)
確定申告の消費税の注意点
最後に確定申告と消費税についての、注意点を一覧でみていきましょう。
・消費税と所得税の確定申告は別物です。期限や計算方法が異なるので注意しましょう。
・申告期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税などのペナルティがかかる可能性があります。
・直前の課税期間の消費税額が48万円を超える場合、中間申告が必要になります。
・記帳は日々のこまめな更新が大切です。特に、インボイス制度導入後は適格請求書の管理が重要になります。
・税理士に相談するのも一案です。特に、初めて確定申告をする場合や事業規模が大きい場合はおすすめです。
確定申告の消費税を分かりやすく解説まとめ
今回は、確定申告の消費税を分かりやすく解説していきました。
確定申告の消費税は、納付するべき人と納付する必要のない人がいます。
ただし2023年10月から始まったインボイス制度によって、今後は確定申告をするすべての人が消費税を納めるような流れになる可能性は高くなっているといえるでしょう。
今のうちに消費税についてしっかりと理解して確定申告に備えましょう。